atelier art space and shop Mでは菅野静香さんの個展を開催します。

concept
制作を「戻れない時間や場所にアクセスするための手段」とし、
時間の経過と共に消失した場所や過去の記憶をモチーフに描いている。
既に無いものや手に入らないものを絵の中で叶えるということが主題である。
しかし最近はアクセスというより”感情の折り返し地点を作っている”と感じる。
描き視覚化することは「確かに存在した」という確認作業であると同時に
懐旧の情を消化するための行為になっているのかもしれない。
過去に戻るための手段としての制作から、
現在に戻ってくるための手段に変化している。
「だれかのいえ」
近所にある空き家の庭に残された木は毎年のように花を咲かせる。
日毎に営みの気配を消してゆく家屋と
それに反するように生命力を増していく樹木のコントラストは、
ここに流れていた時間は確かに存在したものだと語っているように思う。
外に出れば無数の家が建ち並び、その全てに誰かの人生がある。
しかしその内側を私が知り得ることはなく、
私の家も第三者にとっては誰かの家であり、私のことを誰かが知る由もない。
この展覧会では、「家」は自分の中だけに残された遠い昔の記憶を表している。
家という場所は私にとっての戻りたい場所であり、現在いる場所でもある。
Special

会期中、SHOPにてFUさんのPOPUPを行います。
展示と併せてお楽しみください。